泌尿器科

前立腺肥大

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前立腺肥大とは

「前立腺肥大」という言葉は、健康情報やテレビなどで一度は目にしたことがある方も多いかもしれません。 前立腺は男性特有の臓器で、の下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。精液の一部をつくる働きを持つ大切な臓器ですが、加齢とともに徐々に大きくなることがあります。これが前立腺肥大症です。<br>前立腺の肥大というのは、病気というよりも年齢を重なることによる自然な変化といえます。ただし、前立腺が大きくなりすぎると尿道を圧迫し、尿の勢いが弱まる、残尿感が出る、トイレが近くなるといった症状が現れ、日常生活に支障をきたすことがあります。40歳を過ぎると前立腺が徐々に肥大する方は珍しくありませんが、症状が強い場合は治療の対象となります。

前立腺肥大とは

前立腺肥大の症状と頻尿のセルフチェック

前立腺肥大では、排尿に関するさまざまな症状が出ます。

排尿障害の主な症状

  • トイレが近い(頻尿)
  • 尿の勢いが弱い
  • 残尿感がある
  • 夜中に何度も起きる(夜間頻尿)

頻尿は典型的な症状ですが、どの程度を頻尿と考えるべきなのでしょうか。

頻尿の目安(日中の排尿の回数)

  • 6〜7回程度:正常
  • 8~9回:頻尿の傾向あり
  • 10回以上:頻尿。前立腺肥大など、何らかの異常が隠れている可能性がある

なお、夜間については、夜中に1回でもトイレに起きれば「夜間頻尿」と考えられます。

前立腺肥大のセルフチェック

症状の程度は、国際前立腺症状スコア(I-PSS)やQOLスコアで簡単に確認できます。

●国際前立腺症状スコア(I-PSS)

どれくらいの割合で次のような 症状がありましたか? 全くない0点 5回に1回
の割合より
少ない
1点
2回に1回
の割合より
少ない
2点
2回に1回
の割合くらい
3点
2回に1回
の割合より
多い
4点
ほとんどいつも5点
この1か月の間に、尿をしたあとに まだ尿が残っている感じがありましたか 0点 1点 2点 3点 4点 5点
この1か月の間に、尿をしてから2 時間以内に もう一度しなくてはならないことがありましたか 0点 1点 2点 3点 4点 5点
この1か月の間に、尿をしている間に尿が 何度もとぎれることがありましたか 0点 1点 2点 3点 4点 5点
この1か月の間に、尿を我慢するのが 難しいことがありましたか 0点 1点 2点 3点 4点 5点
この1か月の間に、尿の勢いが弱いことが ありましたか 0点 1点 2点 3点 4点 5点
この1か月の間に、尿をし始めるためにおなかに 力を入れることがありましたか 0点 1点 2点 3点 4点 5点
この1か月の間に、夜寝てから朝起きるまでに、 ふつう何回尿をするために起きましたか 0回 1回 2回 3回 4回 5回以上
0点 1点 2点 3点 4点 5点

あなたの合計点は【  】点

●QOLスコア

QOLスコアチェック とても満足0点 満足1点 ほぼ満足2点 なんとも言
えない
3点
やや不満4点 いやだ5点 とても
いやだ
6点
現在の尿の状態がこのまま変わらずに続くとしたら、どう思いますか 0点 1点 2点 3点 4点 5点 6点

あなたの合計点は【  】点

スコアが高いほど症状が強いと判断されます。合計8点以上の方は、受診の目安になります。

ふくいはるえクリニックでの診療・治療方針

検査

当院では、排尿障害や前立腺肥大が疑われる場合、まず尿検査と超音波検査(エコー)を行います。尿の出方や残尿量、前立腺の大きさを確認し、必要に応じて腎臓の状態もあわせてチェックします。これは、前立腺肥大だけでなく、感染症や尿路結石などの他の病気が隠れていないかを見極めるためです。 検査はすべて身体への負担が少なく、下腹部に機械を当てるだけで、痛みや羞恥を感じるような処置はありません。どんな検査をされるのだろうと不安に思っている方にも、安心して受診していただけます。

検査

治療

治療が必要と判断された場合は、生活への影響の程度やご本人のご希望をもとに、薬物療法を検討します。使用するのは主にα1遮断薬と呼ばれるタイプで、尿道周辺の筋肉をゆるめて尿道を広げ、尿の通りをよくするお薬です。その他に、肥大した前立腺自体を小さくする薬もあります。また、前立腺の肥大の程度が著しくて、薬物療法では十分な改善効果が期待できない場合には、内視鏡手術をお勧めすることもあります。手術が必要な場合には、連携する医療機関をご紹介いたします。 ただし、すべての方が治療を始める必要があるわけではありません。日常生活で困っていない、自由にトイレに行ける環境にいる、といった場合には、経過観察のみとすることも可能です。治療が必要かどうか、一緒に相談しながら決めていきます。

治療

医師よりひとこと

前立腺肥大による排尿トラブルは、進行すると生活の質を下げるだけでなく、膀胱や腎臓への影響につながることもあります。 当院では、無理に治療を進めることはありません。気になる症状があれば、まずは検査だけでも受けてみてください。ほとんどの検査はお腹に機械を当てるだけの簡単なものですし、治療が必要かどうかも一緒に相談しながら決めていきます。すぐに何かされるのでは、と心配せず、気軽な気持ちでご相談ください。