
性感染症の皮膚症状
SEXUALLY TRANSMITTED INFECTIONS皮膚や粘膜に出る異常も性感染症のサインです
性感染症(STI)は排尿のトラブルに限らず、皮膚や粘膜に症状が出ることがあります。排尿時の痛みや分泌物といった初期症状に続いて現れることもあれば、尿の異常がないのに皮膚症状だけが最初のサインになることもあります。いずれにしても、通常の肌トラブルとして自己判断すると、性感染症の発見が遅れて治療の機会を逃す原因になります。
代表的な皮膚症状と関連する病気
潰瘍やしこりができる(梅毒)
感染から数週間後に、性器や口の周りに硬いしこりや潰瘍が現れることがあります。これが梅毒の初期症状です。自然に消える場合もありますが、治ったわけではなく、全身へ広がり心臓や神経を侵す危険があります。
痛みを伴う水ぶくれ(性器ヘルペス)
小さな水ぶくれが破れてただれとなり、強い痛みを伴うのが特徴です。初感染のときは発熱や全身のだるさを伴うこともあります。いったん治っても再発しやすく、繰り返すことで生活の質が下がります。
イボや突起ができる(尖圭コンジローマ)
ヒトパピローマウイルス(HPV)によって、性器や肛門の周囲にイボが生じます。痛みは少なく、かゆみや違和感だけのこともあります。数が増えたり再発したりしやすいため、根気よく治療を続ける必要があります。
当院で行う検査
皮膚や粘膜に異常が見られるときは、まず医師が直接見て確認します。そのうえで必要に応じて次のような検査を行います。
- 血液検査:梅毒やHIVといった感染の有無を調べます。
- 患部の検査(ヘルペスなど):できものやただれの部分からサンプルを取り、ウイルスが原因かどうかを確認します。
- 尖圭コンジローマの場合:多くは見た目で診断できますが、似た病気との区別が必要なときは一部を採って詳しく調べることもあります。
- 追加の検査:感染の広がりを確認するために、必要に応じて尿やのど、肛門の検査を行う場合があります。
治療の方法
梅毒:ペニシリン系抗菌薬を中心に治療します。早期発見であれば治療効果が期待できます。
性器ヘルペス:アシクロビルやバラシクロビルなどの抗ウイルス薬を使用します。再発が多い場合には抑制療法を検討します。
尖圭コンジローマ:イミキモド外用薬のほか、凍結療法や切除などを行うことがあります。当院では必要に応じて皮膚科クリニックと連携して対応します。
皮膚症状を放置するとどうなる?
皮膚の症状を放置すると、
梅毒:全身に広がって心臓や神経を障害する
ヘルペス:繰り返し再発し痛みや不安が生活に影響する
コンジローマ:イボが増え治療が長引く
といったリスクがあります。見た目の異常だけでなく、将来の健康に関係するケースがあります。
医師よりひとこと
皮膚や粘膜の変化は、本人にとって目に見えて不安を感じやすい症状です。ですが、恥ずかしい気持ちや、すぐに治るだろうと思って受診をためらう方も多いのが現実です。 性感染症は早く見つけて治療を始めることで、再発や合併症を防ぐことができます。自分の健康だけでなく、大切な人を守るためにも、皮膚症状に気づいたら早めに受診してください。